ついにネットを利用した大学院が、来年4月に信州大工学部にて開校する。好きな時間に講義を受けられ、ネット上で単位を取得することも可能で、講義を動画として見ながら教官とリアルタイムで話したり、口頭試験を受けたりすることができるようなシステムだそうである。以前この掲示板で、「テレワークスタイル」についての議論があったが、この大学院はさしずめその教育版ということになるのだろう。
このシステムの導入が深化すれば、大学教育のシステムそのものを変えてしまう可能性がある。今までの大学は、広大な敷地と、権威的なシンボル性を持たせた校舎と合わせて、“学びの館”としてのイメージを必要としていた。しかし、このネット大学は、膨大な敷地と過度なイメージを払拭させ、実利的な教育制度を確立させることになるだろう。何となく大学に行くとか、皆が行くから行く、という浮動大学生を排除し、大学教育を必要とする者が行く大学に質を変えていくだろう。大学への進学を目指したイメージの変化は、小学校からの教育のあり方そのものを変えてしまうことに繋がるかもしれない。教育の変化に合わせて、テレワークスタイルが発展していくことも予想される。
さらに、自宅で自由な時間に講義が受けられることは、働きながら学ぶことを可能とさせ、若年労働人口の減少に悩む市場を活性化させてくれるかもしれない。大学が東京・大阪に集中している為に、田舎から都市部に集中した若者を地方に分散させる効果もある。現在の起業ブームと合わせて、地方の産業振興という可能性も秘めている。地方分権化が叫ばれて久しいが、若者の都市部への流出というのが大きな問題であった。この制度は、この問題を解決させてくれる大きなカンフル剤となることが期待できる。
エネルギー問題を解決してくれる“バイオマス”等のシステムは、多くの人手を必要とする。さらに都市部への機能と人口の集中が、環境問題を語る上での大きなネックであった。ネットによる受講の普及とテレワークスタイルの発展などが、物理的な地方分散化を促進し、社会制度改革への基礎となることを期待したい。
木橋哲夫
0 件のコメント:
コメントを投稿